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吉田千恵さん 日本画24期卒

作品づくりについて

テーマとかはあまり意識したことはないのですが、作品のタッチは一環しているようで、他の方がこれは私の作品だと判る何かがあるようです。やはり色調も含めて、自分が持っているものが出ているみたいですね。過去の作品をみても、今回の受賞作品と同じ様な色やトーンを選んで表現しています。
どちらかというと、私は描きながらイメージを膨らませていくタイプになります。日本画ではまずパステルや水彩を使って、小さなサイズでエスキースを作っておくのですが、本番の時でも作りながら、削ったり、洗い出したりといった作業も好きで、良く取り入れます。
これは洋画なら消したり擦ったりは当たり前のようなことかもしれませんが、日本画は和紙の上に描きますし、岩絵具を重ねていきますので、計算していかないと支持体がボロボロになったり、色が濁る原因になったりします。ですので、見極めも必要になってはくるのですが、筆を置くタイミングというのも悩みどころですね。描き始めると早い方だと思うのですが、エスキースの段階で模索している時間がかなりあって、結局は締切りといったような「時間」に追われていることの方が多いです。(笑)

将来の目標

これからも絵は描いていきたいと思っていますし、そのつもりです。これまでクループショウはいろんなところで、東京では毎年行っていますし、公募展も続けています。もちろん個展も目標としてありますが、やはり枚数を描かないといけないので、子どもがまだまだ小さい事もあって、もう少し後になりそうです。
時間が今より作れるようになったら、ぜひ会場を自分の絵でいっぱいにして個展を開催できたらと夢見ています。

家族と制作

学生の頃は、自分の描きたい時に描き、好きなだけ描き続けられるという、自由な選択肢が沢山ありました。でも家族ができて子どもが居てとなってくると、まず自分のペースで制作するということができなくなります。ですので最初はフラストレーションもありました。でも作品や制作のイライラを子どもの前で出している訳にもいかず、その辺りはすこしずつ吹っ切れて、前向きにやっていくしかないと考えられるようになりました。

その反面、精神的な面を含めていろいろと支えてくれています。主人もデザイン科を卒業していますので、そういった制作活動におけることは、いろいろ理解してくれています。家族と居られる事は制作の上でもとても心強いですし、恵まれていることだなと思いますね。

私もそうですが、日常を送るというのはとても大変なことで、仕事や育児いろいろな現実に追われて、制作を諦めてしまう方もいらっしゃると思います。とにかく、どんな小さなサイズや量でも構わないので、何か制作し続けていって欲しいですね。描いていて楽しいという、かけがえのない感覚をとても私は大切にしています。何かしら作ってみるということを少しずつでも続けていけるのは、とてもすてきな事ではないでしょうか。

2010年 第42回日展 特選を受賞。作品 《たまゆら》

2010年 第42回日展 特選を受賞。作品 《たまゆら》